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色食

2020.01.20

色を食べるという事

「五味・五色・五法」は中・韓・日の料理に共通した考え方ですが、色については、時代とともにそれぞれのお国柄を映していきます。
薬膳的な効能を重視する中国のそれに比べて、独特の美意識で磨きぬかれていったのが日本の五色。

食材やあしらいの色だけでなく、お膳や器の色など、しつらえも含めた色合いを大切にし
食欲増進、清潔感、安心感といった意味まで込められているのです。
日本の茶室は明度と彩度を抑えた「色を見るための色」、つまり「捨て色」で造られているといいます。

そうした色を背景に、利休は楽茶碗の赤と黒に抹茶の緑を対比させたのだとか。
懐石料理の色もまた、茶室という空間のなかで美しく映える演出がなされているのかもしれません。「日本料理は目で味わう」といわれるゆえんです。

ここ数年、注目されている食物の成分のひとつに「ファイトケミカル(フィトケミカル)」があります。
植物の色素・香り・アクなどに含まれる成分で、紫外線や害虫から身を守るために植物が自らつくりだしている化学物質の総称。

赤いトマトやスイカに含まれるリコピン、緑のほうれん草やピーマンに含まれるクロロフィル、黄色いショウガに含まれるショウガロール、白い大豆に含まれるイソフラボン、黒い豆などに含まれるアントシアニン…といった物質が、人間の体の機能を活性化させる「機能性成分」として注目されているのです。
そしてこれらは、単独で摂るよりもさまざまな成分を組み合わせて摂ったほうがより効果的だといいますから、昔ながらの五色の知恵は科学的にも証明されたといえるでしょう。

「五色を毎日の食事で」といわれると大変なような気もしますが、でも私たちは、知らず知らずのうちにこれを実践しています。

その代表的なものが、お弁当。白いご飯に赤い梅干し、黒い海苔、緑のほうれん草、黄色い卵、赤い鮭…おなじみのお弁当メニューは、味と栄養のバランスがとれているだけでなく、五色の配色がおいしく見せ、食欲の増進にも一役買っていることに気づきます。実は暮らしのなかで、ひっそりと根づいていた五色の食べもの。

それを再認識することで、私たちの食生活はさらに豊かに広がっていくのかもしれませんね。
みなさんは、日々の「食の色」について、どんなことを意識していらっしゃいますか?